基本情報技術者の勉強時間はどのくらい?試験内容や学習時間、効率的な学習法を解説!

この記事から得られる情報
基本情報技術者の試験概要について
基本情報技術者の勉強時間の目安
基本情報技術者の試験内容と対策
基本情報技術者の試験勉強のポイント
ITパスポートと基本情報技術者の違いについて
資格が活かせる高単価のフリーランス案件探しは『Bizlink』
まとめ
「エンジニアの登竜門」ともいわれる基本情報技術者。ITの基本的な知識や技術を身につけることができて、その証明となる資格試験です。
基本的な内容が問われるため出題範囲は広く、しっかりと試験対策しておかなければなりません。
とはいえ、IT関連の資格試験の中では合格率は高い方で、毎年多くの有資格者を出しています。
今回の記事では、基本情報技術者の取得を目指すエンジニアに向けて、勉強時間の目安や試験対策について詳しく紹介します。
基本情報技術者の試験概要について

基本情報技術者の試験概要は次のとおりです。
主催 | 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) |
試験日 | 通年 |
試験会場 | 株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズ(CBTS)が設定するテストセンター |
試験時間 | 科目A試験(旧午前試験):90分 科目B試験(旧午後試験):100分 |
出題形式 | 科目A試験:四肢択一 科目B試験:多岐選択 |
受験料 | 7,500円(税込) |
合格ライン | 科目A/Bそれぞれ1000点満点中600点以上 |
なお、基本情報技術者の令和5年度の合格率は47.1%となっています。(参考:情報処理技術者試験 統計資料)
ITパスポートより難易度は上がりますが、情報処理に関する知識があれば合格は難しくありません。
基本的な内容を幅広くおさえることを意識して、学習を進めていきましょう。
基本情報技術者の勉強時間の目安

基本情報技術者を受験するために実務経験は必要ありませんが、エンジニア未経験か経験者かで勉強時間は大きく変わります。
すでにエンジニアとして働いている、もしくは情報処理系の学校で学んだ人などについては、50時間程度でも合格を目指せるといわれています。
1日2時間程度を1ヶ月ほどの勉強時間で合格できる試験と考えると、合格率の高さにも納得できるのではないでしょうか。
一方で、情報処理についての知識をこれから学ぶ未経験者であれば、勉強時間は200時間が平均目安とされています。
200時間となれば知識のある人の5倍の時間が必要で、場合によっては半年以上かかる人もいるかもしれません。
どの程度、試験勉強に時間を使えるかによって大きく異なるので、上記の時間はあくまでも目安として、効率よく勉強できる方法を考えて実践していきましょう。
基本情報技術者の試験内容と対策

科目A試験と科目B試験は、出題範囲や内容が午前と午後で異なるため、各内容に合わせた対策が必要です。
ここでは、基本情報技術者の試験対策を、科目A試験と科目B試験の2つに分けて解説します。
科目A試験(旧午前試験)
科目Aは試験の中核をなす重要な部分で、主に情報技術の基礎理論と実践的な技術が評価されます。
科目A試験で出題される分野と範囲は次のとおりです。
【テクノロジ系】
テクノロジ系では、以下の4つの分野についての問題が出題されます。
基礎理論 | 基礎理論/アルゴリズムとプログラミング |
コンピュータシステム | コンピューター構成要素/システム構成要素/ソフトウェア/ハードウェア |
技術要素 | ヒューマンインターフェース/マルチメディア/データベース/ネットワークセキュリティ |
開発技術 | システム開発技術/ソフトウェア開発管理技術 |
【マネジメント系】
マネジメント系からは、次の2つの分野について出題されます。
プロジェクトマネジメント | プロジェクトマネジメント |
サービスマネジメント | サービスマネジメント/システム監査 |
【ストラテジ系】
ストラテジ系からは、システム戦略や経営戦略などの知識も問われます。
システム戦略 | システム戦略/システム企画 |
経営戦略 | 経営戦略マネジメント/技術戦略マネジメント/ビジネスインダストリ |
企業と法務 | 企業活動/法務 |
科目A試験の試験対策
科目A試験は、60問の四肢択一で実施されます。試験はコンピューターを使用する「CBT方式」で実施され、情報処理分野やマネジメント分野、ストラテジ(会計)分野が対象の範囲となります。
そのため、プログラミングや情報処理以外の、プロジェクトに関するマネジメントや経営などの知識も求められます。
ITに関する幅広い知識が必要ですが、「とくに苦手」と感じる分野をしっかり理解しておくようにしましょう。
出題される範囲が幅広い分、全てを細かく理解するのは困難です。ただ、合格するためには、テキストや参考書をスムーズに読んで理解できるまで基礎知識を身につけなければなりません。
6割程度で合格できますが、過去問題を使ってとくに苦手な部分を繰り返し勉強して、満遍なく理解できるようにしておきましょう!
科目B試験(旧午後試験)
科目B試験では、以下の2つの分野から出題されます。
- 情報セキュリティ
- アルゴリズムとプログラミング(類似言語による出題)
上記のうち、アルゴリズムとプログラミングが出題内容の約8割、情報セキュリティが残りの2割となっています。
アルゴリズムとプログラミングでは、次の3つのカテゴリから構成されるため、それぞれ苦手な分野があれば、重点的に勉強しておきましょう。
- プログラムの基本構造
- データ構造及びアルゴリズム
- プログラミングの諸分野への適用
なお、科目B試験は、試験時間100分で20問出題されます。こちらも科目A試験同様、1,000点満点中600点で合格となっています。
科目B試験の試験対策
基本情報技術者では、2023年4月より「午前試験」「午後試験」から、「科目A試験」「科目B試験」に変更されました。
そのため、過去問題が少なく戸惑う人もいるかもしれませんが、運営元の情報処理推進機構にてサンプル問題などを掲載しているので、そちらを使って勉強するとよいでしょう。(参考サイト:基本情報技術者試験 科目 B のサンプル問題)
また、午後に実施される科目B試験では、応用力が問われる内容となっています。そのため、科目A試験をしっかり理解しておくことが大切です。
科目A試験のように過去問での勉強ができないというデメリットはありますが、アルゴリズムに多く触れるように意識したり、苦手な分野を重点的に学習しておくとよいでしょう。
とくに、高度な数学の技術やスキルが求められるアルゴリズムでは、ほかの分野よりも難しいと感じる人も少なくありません。
また、用語への理解能力も必要なため、予想問題集などを使って勉強していきましょう。
科目Bの内容が理解できない場合、科目Aをしっかり理解できていないのかもしれません。というのも、科目Bで出題される用語の多くは、科目Aでも出題されるものだからです。
問題文の意味が理解できるようになるまで、しっかりと科目Aの試験対策をおこなっておきましょう。
基本情報技術者の試験勉強のポイント

先ほど紹介したように科目Bでは過去問題が少ないため、科目Aとの勉強方法を変える意識を持っておくことが大切です。
科目Aは基本を網羅的に、科目Bではアルゴリズムを中心に応用にも対応できるようにしっかり取り組んでいきましょう。
また、科目Aでは過去問題と同じ問題が出題されることもあります。科目Bとあわせて繰り返し問題を解いておくことをおすすめします。
また、独学で基本情報技術者の試験勉強をする場合は、時間がかかりすぎて非効率になる可能性もあります。
過去の受験者が発信するWebサイトやYouTube動画を参考にするのもよいですが、より効率よく勉強するのであれば、試験対策講座などを検討してみるのも良いかもしれません。
試験勉強では時間の確保も大切
基本情報技術者は、学生から社会人まであらゆる人が受験できます。
もちろん、学生か社会人かによって自由に使える時間は異なりますが、どちらにしても少しでも試験勉強の時間を多く確保しておきたいですよね。
そこで、試験勉強の時間を確保するポイントとして、以下の4つを意識してみましょう。
- スキマ時間を活用する
- 優先順位を決める
- 一週間の目標を立てる
- 進捗を「見える化」する
王道ではありますが、通学中や通勤中などのちょっとしたスキマの活用は、誰でも始められる時間の活用術です。
一通り過去問題や公開問題、サンプル問題などを解いたら、苦手分野を中心に優先順位を決めて理解を深めていきましょう。
また、時間を有効に使うためにも、一日や一週間の目標を立てて、進み具合を表などにまとめていくのもおすすめです。
進み具合を「見える化」することで管理しやすくなりますし、モチベーションの維持にも役立ちます。
基本情報技術者試験に効率的に合格するためには
1.細かい知識よりも概念理解に重点を置く
基本情報技術者試験では、広範囲の知識が要求されます。すべてを詳細に覚えることはもちろんベストですが、限られた時間内であれば非効率的です。代わりに、主な概念やプロセスを理解し、それらがどのように関連しているかを把握することが重要になります。異なる問題に応用する能力を身につけましょう。
2.アルゴリズムの理解とプログラミングの基礎を固める
プログラミング問題に対処するためには、主なアルゴリズムとデータ構造を理解しておく必要があります。これらの基礎がしっかり身についていれば、実際のコーディング問題にも対応しやすくなります。
3.図や表を使った視覚的な学習
複雑な情報やデータを図解や表で視覚化することで、理解を深めやすくなります。特にネットワーク設計やデータベーススキーマの理解には、図を使った学習が有効です。積極的に意識して取り入れてみましょう。
ITパスポートと基本情報技術者の違いについて

基本情報技術者の受験を検討している人のなかには、「ITパスポートとの違いがわからない」と感じている人もいるかもしれません。
ITパスポート試験は、基本情報技術者の科目A試験の内容とほとんど同じで、エンジニア以外のIT関連業務に携わる人が目指す資格試験でもあります。
そのため、情報処理や情報技術に関する基本的な内容が出題範囲となり、基本情報技術者の科目B試験のような専門性の高い内容は出題されません。
とはいえITパスポートは国家資格であり、取得を推奨する企業も多くありますので、必要に応じて受験を検討するとよいでしょう。
以下でITパスポートと基本情報技術者の違いを表にまとめておきますので、比較してみてください。
ITパスポート | 基本情報技術者 | |
対象者 | IT技術を活用する社会人全般 | ITエンジニア |
試験方式 | CBT(Computer Based Testing)方式 | CBT(Computer Based Testing)方式 |
試験実施日 | 通年 | 通年 |
試験時間 | 120分 | 科目A試験90分 科目B試験100分 |
合格ライン | 600点/1,000満点 | 科目A・Bで600点/1,000満点 |
合格率 | 50%程度 | 47%程度(多くの年では23〜27%の推移) |
これまで基本情報技術者の合格率は20〜30%程度でしたが、コロナ禍以降は40%台まで高くなりました。
難易度としては基本情報技術者の方が難しいですが、しっかり時間を作って勉強すれば合格できる可能性は十分あります。
ITパスポートも基本情報技術者も、IT人材の育成に役立つ資格試験ですが、これからITエンジニアを目指すのであれば、基本情報技術者の合格を目指しましょう。
資格が活かせる高単価のフリーランス案件探しは『Bizlink』

基本情報技術者は、エンジニアのスキル証明となる資格試験です。そのため受験者数は年間10万人を超える年もあるほどです。
とはいえ、資格を持っていてもスキルを活かせなければ意味がありません。エンジニアの業務は資格がなくてもできるため、「資格は必要ない」と感じている人がいるのも事実です。
ただ、資格を持っていることで客観的なスキルの証明になり、転職や案件の獲得で有利になることは間違いありません。
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まとめ
基本情報技術者の勉強時間は、どの程度の知識を持っているかによって異なります。
ある程度の知識がある人であれば50時間程度、これから初めて情報処理を学ぶのであれば、200時間程度を目安にするとよいでしょう。
IT系の資格では難易度は低い方ですが、受験することを決めたら試験当日までできるだけ勉強時間を取り、しっかり勉強しておくことをおすすめします。
資格の取得にあたって身につけたことは、実務でも役立つことばかりです。
スキル証明やスキルアップとして資格を取得したら、転職や副業案件に活かしていきましょう!
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